2018年 スズキ ラパンのAGSのレビュー|評判

2018年 スズキ ラパンのAGSのレビュー|評判

スズキ ラパンのトランスミッションに採用されているAGSについて、半年間乗ってみて感じたメリット・デメリットをレビューです。

AGSとは?

AGS(オートギヤシフト)は、MTをベースにクラッチおよびシフト操作を自動で行う電動油圧式アクチュエーターを採用した新開発のトランスミッションで、一般的にはAMT(Automated Manual Transmission)とよばれるトランスミッションです。

つまり、変速機構は完全にマニュアル車と同じです。
違いはクラッチ操作が自動で行われることです。
運転操作はATの車と全く変わらないため、AT限定の免許で乗ることができます。

半年間、乗ってみた後のレビュー

マニュアル車を運転したことがある方なら、大体想像できると思いますが、気になる点について記載していきます。

操作性

変速時にガクンと変速ショックが起きることはありません。コンピュータがシフトアップ・ダウンに適した回転数に自動で調節してくれるので問題ありません。

シフトアップ(変速)に掛かる時間は長いです。
1速→2速→3速は、それぞれ1秒〜1.5秒ほど掛かり、変速が下手な人が運転するマニュアル車に乗っている感じに似ています。

致命的な問題は、ATと違って機構がMTなので、トルコン等は付いておらず、変速中は一切加速しません。
交差点の右折時など、スムーズに加速していく想定でギリギリのタイミングで曲がろうとすると、途中で自動でシフトアップされて加速しなくなるので危険です。
また、変速が遅いことに加え、変速中にも加速しないので、停止状態から50~60km/hまで加速するには時間が掛かり、ATやCVT車よりも遅いです。
※一定速度で加速せず、変速の度に速度は停滞します。

Dモードではシフトアップのタイミングが近づいたらアクセルを緩めて(エンジンの回転数を落として)シフトアップを促すと、若干スムーズに変速していきます。

マニュアル変速モードによる変速は早いです!
1秒以下でシフトアップ出来るので快適ですが、常に手動でシフトアップは手間に感じる方も多いでしょう。
少なくともラパンを選ぶユーザーにマニュアルによる変速を求めるのは無理です。
※シフトダウンは速度に応じて自動で行われます。

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クリープ現象

AT車同様、Dモードでアクセルを離すとゆっくりと前進します。
ただし、AT・CVT車と比べてアクセルを離した状態でスピードが出ないため、軽くアクセルを踏む必要があります。

坂道発進

MT同様の機構のため、坂道発進時に後ろに下がることが懸念されます。
ラパンの場合はAGSとは別で、後ろに下がらない機能が付いているので坂道発進時に後ろに下がる心配は要りません。

燃費

標準的な田舎過ぎず都会過ぎない環境で、21.5km/Lです。
アイドリングストップやモーターによるアシストも無い状態で21.5km/Lなら燃費はそこそこ良いです。
ラパン自体の車体が軽く、AGSは中身はMTなのでATやCVTよりも燃費は良いです。
燃費を良くする機能のために車両価格が上がることはなく、シンプルな機構で燃費も良いのは素晴らしいですね。

まとめ

普段からマニュアル車に乗っているような方やコストパフォーマンスを重視する方にはオススメです。
マニュアルトランスミッションの仕組みや特徴を理解した上で、車の特徴に合わせてマニュアルモードで乗れば問題ありません。
その場合はラパンで5速もあるので、高速域でもエンジン音は静かです。

免許取り立ての方や、車に関心のない方にはオススメしません。
Dモードの変速が遅いこと、スムーズに運転するためにはマニュアルモード必須のため、敷居が高いです。
ある程度車に慣れていて、変化に柔軟に対応できる若い方なら、しばらく乗っているうちに慣れる事が出来るかもしれませんが、あえてAGSを選ぶ必要はありません。

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